NHK「ぼやき川柳大賞」を獲る方法

兵庫県のペンネーム「落ちこぼれ」がボツ続きの体験を赤裸々に綴ります。

地震で放送がなくなる不運

 ぼやき川柳は毎週土曜日の午後3時5分から始まっていた。しかし年五十二回もあったわけではない。プロ野球日本シリーズの中継とかラグビーの日本選手権、あるいは春のセンバツ、夏の選手権と高校野球の全国大会期間中は休みになった。そうすると年間40回前後しか放送はない。こちらが「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」式に駄句の攻勢をかけてもしょせん駄句は駄句。ボツの憂き目に遭うことは運命的にまぬがれなかった。年間で言うと2014年に24回読まれたのが最高だった。どんなにあがいてもそれ以上は無理だった。仕事そっちのけで邁進した結果がそれだった。

 おまけに放送前に列島のどこかで地震が起こり、番組がまるまる吹っ飛んでしまう不運もあった。あるいは放送中に地震情報が入って聞こえなくなってしまう、自分の住んでいる近畿地方だけ道路交通情報が入るなどの「トラブル」はつきものだった。せっかく句を応募したのに……と、「らじる☆らじる」の設定を近畿圏から関東圏に切り替えたりして急場をしのぎ、うまく聞こえないと地団太踏んで悔しがったものだ。

 平時でもハラハラすることがあった。佐藤アナと大西先生と女性キャスターの雑談が必要以上に盛り上がってしまうことだった。たぶん十数秒あれば1人分の都道府県名、名前、作品(もう一度復唱)がこなせるはず。ところが雑談が1分を超えることもあり、そうなるとおそらく3人分の作品が入選から漏れることになるのだった。ラジオを聞きながら「早く次の句に行け。俺の句がはみ出してしまう」と歯嚙みし、貧乏ゆすりをしていたこともあった。自分の句が読まれた時間帯にぴったり交通情報が入って聞くことができず、あとで新潟市のはなさんのブログ(速報)で入選を確認したこともあった。あさましいと思われるかもしれない。番組に句を応募すると人間、人が変わってしまう。