NHK「ぼやき川柳大賞」を獲る方法

兵庫県のペンネーム落ちこぼれがボツ続きの体験を赤裸々に綴ります。

ラジオ深夜便に移行

 2019年4月、「ぼやき川柳」が「かんさい土曜ほっとタイム」から「ラジオ深夜便」に移った。第1、第2、第3金曜日の午後11時台だ。佐藤アナの代わりを第2土曜を中村宏アナ、第1、第3土曜を住田功一アナが務めるようになった。選者は余人をもって代えがたい大西泰世先生が続投。女性キャスターは置かなくなり、アナウンサーと大西先生が交互に句を読むスタイルに変わった。

 佐藤アナが「ぼやき川柳アワワワワー」ともだえることもなくなり、女性キャスターの「武器も持たない、金もない、権力も持たない。庶民の唯一の抵抗手段はぼやき川柳、ぼや川(せん)!」という決めぜりふもなくなった。男性アナウンサーが「人生の泣き笑い、ぼやきたい思いを川柳に込めて、リスナーの皆様からお寄せいただいています」と言うだけになった。

 初回の放送ではアナウンサーに硬さが目立った。佐藤誠アナのような関西弁のざっくばらんな名調子が影をひそめた。この表現が適切かどうか分からないが、「公共放送」を背負っているかのような、決して失言をしてはいけないという雰囲気が感じられた。しかし次第に大西イズムというか大西先生のなごやかなペースがのみこめてきて、中村アナは得意のオヤジギャグを飛ばすようになり、住田アナは家族ネタを披露して笑いを取るようになった。私は個人的に、後藤繁榮アナもぼやき川柳に向いていると踏んでいる。

ちょっと話が脱線したが、夜の放送に移って、一番大きく変わったのは入選句が半減したことだ。「土曜ほっと」では朝の連続テレビ小説を取り上げた句が選ばれたりしていたが、そういった「よいしょネタ」の句は一切選ばれなくなった。その分、玄人受けする秀作が競い合うようになり、まさに少数精鋭、群雄割拠、下剋上の戦いとなった。土曜日の常連だった川柳ファンも何人かは去って行き、代わりに新規参入してきたリスナーもいた。お年を召した方には午後11時台という放送時間が就寝時間帯に当たるのだろう。しかし「宵っ張り」あるいは「一度寝て目が覚めてしまった人」が多数、参入・参戦してくることになり、ますます油断ができなくなった。

この事態は当然ながら私の「ぼやき川柳」挑戦にも影を落とすことになった。それまでは2週に1度くらいのペースで入選していたのに、3カ月に1回入選すれば御の字というくらいにペースダウンしてしまった。絶望感とあきらめと目標を失った悲しみが私を襲ってきた。

「もうやめようか」とさえ思った。ラジオの川柳は「読まれてなんぼ」なのに読まれないようでは……。